英国紀行・序章「再び、英国へ。ハネムーンと、原点への帰還」

去る9月23日より10月3日まで、私はしばし店を留守にし、英国へ渡っておりました。
日頃よりGENT'S CODEをご愛顧くださる皆様には、快くお休みを頂戴いたしましたこと、この場を借りて心より感謝申し上げます。
今回の旅は、私にとって二つの大きな意味を持っていました。
一つは、妻との「ハネムーン」として。
そしてもう一つは、GENT'S CODEの店主として、その原点である英国の空気に再び触れる「仕事」として。
2017年。まだ私がこの仕事に就く前、ただ英国の紳士服に強烈な憧れを抱き、初めて一人で旅した、あの英国。
当時は、サヴィル・ロウに立ち並ぶ名門テーラーのショーウィンドウを、ただ羨望の眼差しで外側から眺めることしかできませんでした。
しかし、あの時感じた「本物」への憧れこそが、GENT'S CODEを開く原動力となったのです。
あれから8年。
今、私は「テーラー」という看板を背負い、再びサヴィル・ロウの地に立ちました。
今回はハネムーンがメインであり、仕事に割ける時間は限られておりました。しかし、日本で大変お世話になっている輸入商社様の、この上ないお力添えのおかげで、私の旅は信じられないほど特別なものとなりました。
通常、顧客ですら入ることの許されない名門テーラーの「工房(カッティングルーム)」へ、特別に足を踏み入れることを許可されたのです。
そこは、まさに服が生まれる聖域でした。
使い込まれた裁ち鋏の音、生地が発する匂い、そして名だたる職人たちの真剣な眼差し。
前回、外側からしか見ることのできなかった世界の、その「裏側」に触れた瞬間、私は改めて深く感動いたしました。
紹介がなければ門を叩くことさえ叶わない格式高い店々が、私を温かく迎え入れてくださり、貴重な裏話まで聞かせてくださったのです。
この感動は、GENT'S CODEの未来にとって、何物にも代え難い財産となりました。
そして、旅のもう一つのハイライトは、憧れの地・スコットランドへの訪問です。
ロンドンとはまた違う、エディンバラの古都の佇まい。賑やかでありながら、どこかのんびりとした空気感。美しい街並みと、荘厳なホリルードパークの大自然。
心の底から「この街に住んでみたい」と感じるほど素敵な街でした。
この旅で得た、すべてのインスピレーションと感動。
これから数回にわたり、このブログで、皆様にもその空気感をお裾分けできればと存じます。
まずは序章として、旅のご報告まで。
次回は、あのサヴィル・ロウの工房で私が見た「本物の世界」について、詳しくお話しさせていただきたく思います。
GENT'S CODE
吉岡
